M&Aコラム

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兵庫県内11信金がM&Aで連携 後継不在企業の情報を共有
兵庫県内11信金がM&Aで連携 後継不在企業の情報を共有

 兵庫県内の11信用金庫が、後継者がいない企業を別の企業に譲り渡す「小規模M&A(合併・買収)」で連携する。2カ月ごとに信金の担当者が集まり、売り手と買い手の情報を共有。

M&Aニュース
2021/12/05
後継者不在企業6割 九州・沖縄高止まり続く
後継者不在企業6割 九州・沖縄高止まり続く:地域ニュース

帝国データバンク福岡支店は2日、九州・沖縄の企業の後継者問題に関する調査結果を発表した。今年10月時点で後継者が不在の企業は前年より2・5ポイント少ない60・2%だった。金融機関などが事業承継を強化しているためで、20

M&Aニュース
2021/12/03
事業承継に必要な現金がない…税法の「特例」を利用した対処法【税理士が解説】
事業承継に必要な現金がない…税法の「特例」を利用した対処法【税理士が解説】 | 富裕層向け資産防衛メディア | 幻冬舎ゴールドオンライン

事業承継において、株式を買い取る場合はその買い取り費用、相続や贈与による場合は各種税の支払いなど、後継者は多額の負担を求められるケースがあります。しかも、納税資金は現金で支払わなければならないことから、その現金をどうやって用意するのかという問題は、事業継承を控えた経営者にとって悩みのタネとなってしまいます。そこで、税法の「特例」を利用して、事業承継の費用負担を軽減する方法についてみていきましょう。

M&Aニュース
2022/02/19
「手打ちそば屋」で独立したい人に朗報、埼玉・東所沢の人気店が承継者を募集
「手打ちそば屋」で独立したい人に朗報、埼玉・東所沢の人気店が承継者を募集

 ライトライトが運営する、クラウド承継プラットフォーム「relay(リレイ)」を通じて、埼玉県所沢市の「そば処 松むら」が承継者を募集している。 【画像付きの記事はこちら】  そば処 松むらは、石臼で自家製粉したこだわりのそばや、季…

M&Aニュース
2022/02/19
M&Aで会社売却した際の退職金について(役員・従業員のケース)
M&Aで会社売却した際の退職金について(役員・従業員のケース)

はじめに

企業の合併や買収の総称である「mergers(合併)and acquisitions(買収)」は、2つ以上の会社が1つになったり(合併)、ある会社が他の会社を買ったりすること(買収)を意味する言葉です。会社法上は「組織再編行為」に該当します。M&Aは、一般に、新しい事業や市場に参入したり、企業グループの再編のために利用されたり、会社が持つ複数の事業を一つの事業へと統合したり、業績不振となった企業や事業を救済するために活用されています。新しい事業や新たな市場へと企業が進出する場合、自ら会社を設立するケースも少なくありません。しかし、M&Aを活用すれば、事業を軌道に乗せるまでの時間を短縮できます。また、事業を再構築する場合、不要となった会社や事業を売却する場合や、他社の事業を買収し自社の主力事業を強化する場合でも、M&Aの活用は非常に効果的です。

M&Aという組織再編行為によって、役員や会社で働く従業員には大きな影響があります。M&Aが実施されると従業員が別の会社に移籍したり、退職したりすることになり、役員も退職する場合があります。この場合、従業員や役員が退職する際に支払わなければならない、退職金の取扱いはどのようになるでしょうか。この記事ではM&Aによって従業員や役員の退職金がどのようになるのか、わかりやすく解説していきます。

退職金

M&Aにおける退職金の取扱い

M&Aを成功させるには、従業員の労働条件に配慮することが必要です。一口にM&Aといっても、M&Aには「株式譲渡」、「新株引受」、「株式交換•株式移転」、「事業譲渡」、「合併」、「会社分割」など様々な方法があります。※M&Aの流れや、スキームについてはこちらをご覧ください。

たとえば、会社を売却する組織再編行為である「株式譲渡」は会社の売却を意味します。そして、事業を売却する組織再編行為である「事業譲渡」は、事業の売却を意味します。当然、会社を売却した場合と、事業を売却したケースでは退職金の取扱いも異なるため、留意が必要です。特に、M&Aにおける退職金は、従業員の退職金にせよ、役員の退職金にせよ、就職してから退職するまでの長年の勤務に対する報償的対価を、退職を機会として一括で受領するという性質を持っています。したがって、通常の超過累進税率による所得税の課税ではなく、税負担を軽減するために優遇された税金計算を行うので、M&Aを機会として退職金をもらう役員や従業員は、税制上お得に退職金を受け取ることも可能です。

M&Aにおける退職金 〜従業員ケース〜

「株式譲渡」の場合には、役員の退職を伴うことが多いですが、原則として、従業員の雇用条件が変更されることはありません。その理由は、株式譲渡では、買い手企業の法人格自体には影響はないからです。従業員の買い手企業への移籍後は、買い手企業の退職金・年金制度が適用になるのが一般的です。売り手企業で得た退職金・年金の権利は、事業売却時に清算される(退職金が支給される)ケースもあれば、買い手企業に引き継がれるケースもあります。

「合併」の場合には、消滅会社の従業員の労働契約や就業規則は、存続会社に継承されます。旧会社の法律関係は一括して新会社に移転するのです。特に何もしなければ、雇用条件をそのまま引き継ぐことになるので、買い手側の従業員の売り手側の従業員の間で、雇用条件にズレが生じるケースがあります。その場合、同じ仕事をしている従業員であっても、雇用条件にズレが生じて、それが軋轢を生む可能性があります。もちろん、退職金制度についても同様です。合併後に、労働条件や退職金の不平等など多くの問題が生じる恐れがあるので、注意が必要となります。

なお、M&Aによって労働条件の変更や人員削減も予定しているケースもあります。この場合、株式譲渡や合併の場合は、売り手企業側の労働関係がそのままM&A後の会社体制(買い手側企業側の会社体制)に引き継がれるので、勝手に雇用、労働条件、退職金制度などを変更することは原則としてできません。

そのため、実務上は、労働条件や退職金の問題を解決するため、合併を実行する前の段階もしくは合併後速やかに、売り手企業と買い手企業が協力しなければなりませんし、労使とも誠意をもって十分な協議をして、雇用契約・退職金制度・就業規則の内容を調整しなければなりません。労務関係について、従業員名簿は当然必要となります。他にも、従業員組織、就業規則、労働契約出向契約、退職金規定といった書類が必要です。労働組合があれば、その関係の書類も当然出してもらわなければなりません。

「事業譲渡」の場合には、M&Aが完了したあと、事業の買い手側の就業規則に従業員は従うことになります。ただし、事業譲渡は、法律関係の当事者が個々に合意した範囲でのみ新会社への移転が生じる取引です(特定取引)。したがって、従業員の退職金についてはM&A時に売り手側で支払うケースが一般的です。買い手側企業・売り手側企業のほか、従業員本人も同意しなければ、新会社への移籍は生じません。そのため、合意のうえで移籍した場合には、そのまま買い手側の就業規則に従い、退職金も買い手側企業の制度へと移行することになります。具体的に、売り手側の社員は、買い手側会社との間で転籍に関する合意書を交わし、新たに雇用契約を結びます。そのため、一度売り手側企業の退職金制度は一度清算されます。このように、「合併」や「事業譲渡」の場合には、売り手側企業の従業員の労働条件の変更について、事前に十分な協議と調整を行っておくことが重要となります。

M&Aにおける退職金 〜役員のケース〜

M&Aが行われる場合、売り手企業側の役員は退職するのが一般的です。そのため、退職すると退職金がもらえます。この場合の退職金は、会社の雇用条件によって定められた条件によって決まっているのが一般的です。

ただし、役員の場合、退職金以外にもお金をもらえるケースがあります。それは株式譲渡のケースです。役員自身が保有している会社の株式を売却することになるので、その対価をもらうことができます。それが退職金の代わりになるのです。

「株式譲渡」でM&Aを実行する場合には、役員がもらえる退職金と組み合わせることで税負担を軽くできる可能性があります。売り手側の役員からみると、株式譲渡代金にかかる税率(=20%)と、退職金にかかる税率(0%~27.5%)は異なっているので、一定金額までは株式譲渡代金を退職金として受け取る方が税負担は軽くなります。役員退職金は一時金として取り扱われますが、一時金として受け取る退職金は、給与や賞与よりも税金が優遇されるので、役員退職金の税負担は軽くなるのです。

退職金を支払う会社にとっても、役員退職金は株式譲渡とそれほど変わらない税率で損金算入できるというメリットがあります。ただし、無制限に役員退職金を増やすことはできず、損金として認められない場合もあるほか、例えば役員退職金を支払うには、株主総会での決議が必要となるなど、一定の条件が課されている点に留意が必要です。退職時点で「役員退職金を支払わない」という決議が株主総会で行われると、受け取れないケースもあります。

まとめ:M&A後の従業員・役員の退職金

M&Aは役員や従業員の立場に大きな影響を及ぼします。そのなかでも、役員や従業員の退職金に関する事項は重要な検討項目の1つであり、時として取引の成否を左右するポイントにもなる重要事項です。株式取得・株式交換・株式移転と呼ばれるM&Aは、会社間の資本関係にのみ影響を及ぼすことから、労働者との間の労働契約には影響を与えず、労働契約関係は存続することになります。したがって、この場合、役員・従業員の退職金について基本的に影響を与えません。

一方、M&A手法のなかでも、事業譲渡は、合併や会社分割のような包括承継ではありません。事業譲渡のケースでは、譲渡会社と譲受会社との合意によって事業に属する個々の資産について個別に移転させる必要があり、一つ一つの事項について債権者の同意が必要です。事業譲渡は特定承継なのです。そのため、役員や従業員との雇用契約についても見直しが必要で、退職金についても買い手側との交渉の余地があります。なお、事業譲渡では、役員や従業員の一部だけを承継対象から除外することも可能ですが、原則として労働者の個別の同意があることによって労働契約は承継されるため、退職金も同様に個別の同意が必要です。

M&Aの基礎知識
2021/12/28
M&AのFA(ファイナンシャル・アドバイザー)という役割・業務内容
M&AのFA(ファイナンシャル・アドバイザー)という役割・業務内容

経営者がM&Aを実行する場合、自らの力だけでM&Aを完遂するのは非常に困難です。M&Aを完了するためには、様々な手続きが必要で、その手続きには専門的な知識が必要となります。したがって、M&Aを完了するまでには様々な役割を担う人々が関わります。一般に、M&A完了をサポートとするのは、投資銀行やコンサルティング会社であると思われがちですが、日本においては、ファイナンシャル・アドバイザー(Financial Advisor: FA)がM&Aに関与するケースも少なくありません。そこで、この記事では、FAがM&Aにおいてどのような役割を担うのかについてわかりやすく解説していきます。

M&AにおけるFA(ファイナンシャル・アドバイザー)の位置づけ

 FAとは、財務・金融に関する様々な取引に対してアドバイスを提供する職業です。M&Aにおいて、FAにM&Aを依頼する最大のメリットは、経営陣が混乱せずに事業を継続し、財務的・戦略的なパフォーマンスを成功させることができる点にあります。事業のパフォーマンスを低下させ、顧客、人材、資金を失うことは、事業売却の最終的な価格に影響を与える重要な要素となります。それを防ぎつつ、M&Aを成功に導くのが、FAの役割です。

M&Aの取引そのものがスムーズにいくように、中立的な立場で譲受企業(買い手企業)と譲受企業(売り手企業)の両者の取引が上手くいくようにサポートするM&A仲介者とは異なり、M&AにおけるFAは譲受企業(買い手企業)もしくは、譲受企業(売り手企業)のどちらか一方をサポートするのが役割となります。そのため、FAはM&Aの譲受側(買い手)もしくは譲渡側(売り手)のどちらか一方と契約するのが普通です。契約した譲受側もしくは譲渡側の意見を代表する存在とも言えます。

M&AにおけるFAは、多くの点で投資銀行と仕事が重なっていると思われがちですが、FAは、クライアントに対して、よりローカルでオーダーメイドな対応が必要となるケースが多く、非上場企業を対象としてサービスを提供するケースが多い傾向にあります。そのため、日常的に取引を行っているケースの多い銀行や証券会社などが、FAの役割を担うケースも多くあります。地方銀行や信用金庫といったローカルな金融機関では、FAのサービスを十分に提供できるだけの専門的な知識のある人材が少ない傾向にありますが、地域に根ざした形で総合的かつきめ細やかなアドバイザリーサービスを提供する機関も増えてきています。

一方で、大手の銀行や投資銀行の場合には、専門的なリソースを豊富に有している反面、手数料やフィーが高額になるケースも少なくありません。規模の大小にとらわれず、特徴や特性をみていくことが肝要です。

通常、FAは、個人事業主や中小企業対して様々なサービスを提供していますが、M&AにおけるFAは、企業のあらゆる種類の企業取引について舵取りを行い、多くの場合、デットファイナンスやエクイティファイナンスを支援するのが仕事です。

FA

FA(ファイナンシャル・アドバイザーの業務内容

 FAは以下のような業務を行います。

  • 株式の発行・募集に関する助言・指導
  • 新規に発行される証券の引受業務
  • 個人向け投資顧問サービスの提供
  • 企業の正確な評価額の算出
  • 見込み客への会社の紹介
  • 市場価格を下回る価格での売却を防止する
  • 売り手にとって最適な買い手を見つける
  • 買い手が取引に必要な資金を調達できないなどの不測の事態が発生した場合でも、確実に売却取引を完了させる。

M&A取引には一つとして同じものはありません。

したがって、FAの業務内容は多岐にわたるのが一般的です。FAは、一般に顧客が理解できるように、M&Aの取引プロセスの各段階について十分な説明をしなければなりません。そして、顧客のビジネスのパフォーマンスを分析して、必要に応じて、顧客と協力してビジネスを売却できる状態にしていきます。ビジネスプラン、財務予測、マネジメントプレゼンテーションといったM&Aに欠かせない必要な書類を顧客と一緒に作成していきます。

ときに、他の公認会計士や弁護士などの専門家と協力して、必要なデューデリジェンスや法的文書が迅速に準備されるように準備します。

M&A取引候補が見つかった場合、関心を寄せてきた企業の質問事項に対する回答を管理して、買い手候補を吟味し、顧客のビジネスのM&Aに本当に関心のある買い手だけが次のM&Aのプロセスに進めるように手配します。買い手候補とのミーティングを準備し、必要に応じて顧客側も一緒に出席して、買い手候補との交渉を行います。

M&Aにおけるデューデリジェンスプロセスが完了したら、買い手と交渉して、顧客のビジネスにとって利益がある取引に合意します。すべての売却書類を準備し、税金、運転資金などの重要な分野が売り手企業と買い手企業の間で合意されていることを確認します。このプロセスによって、M&Aが合意されない可能性を最小限に抑えることが可能です。

FA(ファイナンシャル・アドバイザー)にM&Aを依頼するタイミング

M&AにおいてFAを関与させるのに最適なタイミングは、理想的には、ビジネスや事業の売却を考えている最初の段階です。早めに依頼をすることで事業の価値を最大限に高めるために、FAが適切な準備をすることができます。しかし、どのような段階にあっても、M&Aにおいて、FAと連携するのに遅すぎるということはありません。

FA(ファイナンシャル・アドバイザー)の料金体系

多くのFAは、成立した案件の価値の一定割合を手数料として徴収しています。この手数料は、実行される取引の種類や取引の規模によって異なるのが一般的です。M&Aには時間がかかり、一般的には6~12ヶ月かかると言われています。そのため、 FAの料金は、どのFAに依頼するか、また、売主側の売却額がどの程度になるかによって異なります。また、一部のFAでは、一定割合の手数料に加えて、一律の手数料を課しているケースもあります。

FAのなかには成功報酬でサービスを提供するする会社もあります。成功報酬は、FAが売り手にとって可能な限り高い売却価格でM&Aを成功させるためのインセンティブにもなります。。

おわりに

M&AにおけるFAは、M&A取引の様々なプロセスで会社経営者をサポートしてくれる存在です。

仲介業者とは異なり、M&A取引の当事者となる売り手側企業、もしくは買い手側企業の経営者をサポートするので、経営者にとって、あるいは会社側にとって最も利益となるようにM&A取引をサポートしてくれます。中小企業において、FAの役割を担うのはM&A取引経験の豊富な中小企業診断士や税理士などが中心となってきています。

M&Aガイドの専門家ページではFAサービスを提供している専門家を無料で検索することができます。

M&Aの基礎知識
2021/12/29
事業承継税制とは?「特例措置」の要件・制度利用のメリット・デメリット
事業承継税制とは?「特例措置」の要件・制度利用のメリット・デメリット

事業承継を行なう際、利用できる制度のひとつに「事業承継税制」があります。こちらを活用することで事業承継時の納税を実質ゼロにでき、承継者の金銭的・精神的負担を大きく軽減します。今回は事業承継税制について、その概要や最近の動向、メリット及びデメリットを詳しく解説します。

事業承継税制とは

事業承継税制とは、中小企業の後継者が、事業承継において会社の株式等を贈与または相続したとき、その株式等にかかる贈与税・相続税を一定の要件を満たすことで、納付が猶予または免除される制度をいいます。

事業承継税制は2008年にまず法人を対象としてスタートして、その後2019年には個人事業主にも対象を広げることで制度の拡充を図ってきました。また法人版事業承継税制には「一般措置」と「特例措置」があり、2018年に拡充された「特例措置」ではさらに制度の弾力化が図られました。

具体的には、これまでの「一般措置」では、納税猶予割合が「贈与100%・相続80%」でしたが、「特例措置」では「贈与100%・相続100%」と双方猶予・免除される仕組みになりました。「特例措置」でこの制度の適用を受けるには、対象者が2023年3月までに事業承継の計画書を地方自治体に提出して、10年以内に承継を行なうことが条件となっています。

また、これまでの「一般措置」では被相続人(先代経営者)から1人の相続人(後継者)への贈与・相続に猶予措置が限定されていましたが、「特例措置」では親族外含む複数の株主から法人代表者の後継者(最大で3人まで)へ承継が可能になり、中小企業の実態に即した事業承継ができるようになりました。

さらに「一般措置」では承継後5年間、「平均で8割の雇用維持」が条件となっていて中小企業の円滑な事業承継を妨げる要因となっていましたが、「特例措置」ではこの条件も緩和され実質的になくなったことから、より制度の適用が受けやすくなりました。

事業承継税制「特例措置」の要件

事業承継税制の「特例措置」を受けるには、最低限対象者が満たすべき要件が2つあります。それは以下の2つです。

対象者が中小企業であること

制度の対象となる法人が、中小企業庁が定めた「中小企業の定義」(https://www.chusho.meti.go.jp/soshiki/teigi.html)に業種ごとに合致している必要があります。(資本金・従業員数基準)

事前の「特例承継計画」策定の必要性

「特例措置」の適用には、認定支援機関※の所見を付与した「特例承継計画」を策定して、本制度で決められた5年以内(2018年4月~2023年3月)に書類を都道府県知事に提出して、その確認を受ける必要があります。

※認定支援機関(認定経営革新等支援機関)とは、中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベルを超える者を国が認定した支援機関をいいます。税理士法人や会計士事務所、商工会・商工会議所、金融機関等が該当します。

税制

事業承継税制のメリット・デメリット

事業承継税制も制度である以上、メリットもデメリットもあります。以下がそのメリット・デメリットです。

事業承継税制のメリット

事業承継税制の主なメリットは以下の5つです。

贈与税・相続税ともに100%免除

この制度の最大のメリットが、この贈与税・相続税がともに100%猶予・免除されるということです。ただし「特例承継計画」を地方自治体に提出して一定の条件を満たす必要があります。

雇用の8割条件が緩和

事業承継税制の「一般措置」では事業承継後、後継者は5年間平均で8割の雇用条件を守らねば、猶予されていた贈与税・相続税の全額を納付しなければいけませんでした。しかし「特例措置」では仮に雇用条件を満たせなくても、承継後に雇用条件が満たせなくなった妥当性のある理由を記載した書類を出せば、納税猶予がそのまま継続されるようになりました。

先代経営者及び後継者の条件緩和

「一般措置」では、中小企業の先代経営者から後継者への贈与等による株式移転は先代経営者のみからと限定されていました。しかし「特例措置」では、親族以外を含む複数の株主から承継者の代表者(最大3名まで)承継できるようになりました。これはかなり大きな制度の弾力化といえます。

株価対策のため法人の利益を圧縮する必要がない

先代経営者から後継者に対して事業承継する際、株式等にかかる高額の贈与税・相続税は悩みの種です。そのため経営者としては、株式評価の基準となる利益を圧縮するなどの株価対策をすることで、できるだけ事業承継時の納税額を引き下げる努力が必要でした。しかし事業承継税制の適用を受けることができれば、承継時の贈与税・相続税を100%猶予・免除されるので、他の事業承継対策のように意図的に利益を圧縮する対策も必要ありません。これは経営上、大きなメリットです。

事業承継税制は期間限定の特例措置、後継者が先代経営者に事業承継を促しやすい

事業承継税制は申請期間が5年、実行期間が10年の期間限定の特例措置制度です。この間に必要な対策をしなければ、事業承継で贈与税・相続税を100%猶予・免除されることはありません。一方、先代経営者は「まだ自分は現役で頑張れる、事業承継は先でいい」と結論を先延ばしがちです。しかし、事業承継対策は長い年月が必要なだけに、後継者としては先代がそのような考え方に固執されていては困りものです。そこで、後継者も先代に対してメリットの大きい事業承継税制の活用を訴えつつ、期間限定の特例措置であることをアピールすれば、先代経営者に事業承継への対応を促しやすくなります。

事業承継税制のデメリット

事業承継税制の主なデメリットは以下の4つです。

特例承継計画の提出が必須

「一般措置」ではいくつかの要件を満たすことで納税猶予は受けられ、特例承継計画の提出は必要ありませんでした。しかし「特例措置」に制度が拡充されてからは特例承継計画の策定及び提出が必須になり、手続きに厳格さが加わりました。

また承継後5年間は毎年、継続届出書を都道府県と税務署に、5年経過後も3年に1回、提出が義務づけられています。万が一、失念等で書類を提出し忘れると、その時点で納税が確定してしまいます。承継者は手続きをしっかりと進める必要があります。。

事業承継税制の適用期限がある

「特例措置」の適用を受けるには、認定支援機関の所見付きの特例承継計画を2018年4月1日~2023年3月31日の間に提出して、都道府県知事にその確認を受けなければなりません。期間が限定されているという意味で注意が必要です。

納税猶予の取消リスクがある

事業承継税制には納税が猶予されている間、対象者が守らなければならないルールが実ににたくさんあります。

たとえば、事業承継税制を使うと5年間の間、後継者は代表取締役を継続して務め、さらに所有株式を1株も手放してはならないという決まりがあります。これを破ると、制度の取消事由に該当すると判断されて、猶予されていた税額に利息もプラスして支払わねばならなくなります。

さらに、事業承継税制を使った場合、その後資本金を1円も減らしてはならないというルールも付いてきます。他にも事業承継税制の適用を受けたら、その対象となる株式を途中で一部売却しても、制度の取消事由に該当して、猶予中の税金を全額納付しなくてはならないという決まりもあります。

これら以外にも納税猶予の取消リスク項目がたくさんあるので、後継者は事業承継後も気を抜かずルール違反しないよう各方面に目配りしていく必要があるのです。

事業承継税制を含む、事業承継を総合的に支援できる専門家(税理士、公認会計士等)が少ない

前述したとおり、納税猶予の取消リスクがある中で、事業承継税制を利用すべきかの判断を含めて、事業承継を総合的に支援できる専門家(公認会計士・税理士)が少なく、適切な専門家探しは必要となります。また、事業承継税制を採用した場合も、納税猶予の取消リスク項目が実に多くあるため、承継後に後継者ひとりで全て管理することは、労力を要するものであり、中長期的に事業承継に対応できる専門家の助けがあるとよいでしょう。

事業承継税制の概要やメリット・デメリットを最新の制度内容をもとに解説しました。ぜひ事業承継税制検討時の参考にして下さい。

M&Aの基礎知識
2021/12/29