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事業承継より廃業を選択…中堅・中小が抱える経営課題
事業承継より廃業を選択…中堅・中小が抱える経営課題(ニュースイッチ) - Yahoo!ニュース

川崎市内に立地する中堅・中小企業の間で会社の将来について、事業承継を考えている経営者が相対的に減る一方で、廃業を検討している経営者が増えた実態が、同市の調べで分かった。事業承継をためらう背景には、後

M&Aニュース
2022/04/11
「跡取り娘」が会社を救う?事業承継できた会社だけが生き残る
「跡取り娘」が会社を救う?事業承継できた会社だけが生き残る(幻冬舎ゴールドオンライン) - Yahoo!ニュース

後継者不足のなかで娘を後継者に指名するケースも少なくない。自ら経営者として名乗りを上げる娘、娘を社長にするまでの道筋を考えた経営者の父、「経営能力のある者が経営者になる」決まりで社長に指名された女性

M&Aニュース
2022/04/03
アライアンスとは何か?資本業務提携と業務提携
アライアンスとは何か?資本業務提携と業務提携

はじめに

 近年、世界的な傾向として戦略的な協力関係を結ぶ企業が増えています。この戦略的な協力関係は、一般にアライアンスと呼ばれるものです。たとえば、日本の航空会社であるANA(全日空)は、様々な国々において航空事業を展開する会社とスターアライアンスと戦略的な協力関係を結んでいます。これによって、様々な航空関連サービスがスムーズに受けられるようになっています。アライアンスは、現在のビジネスにおいて成長するための重要な手段の一つです。この記事では、アライアンスとは何かについて、M&Aとの違いを踏まえながら説明していきます。

アライアンスとは何か?

 アライアンスとは、日本語で「業務提携」と呼ばれ、共通の戦略的目標を達成するために、2つ以上の企業間で行われるさまざまな戦略的協力関係をあらわす言葉です。アライアンスには、商品やサービスの物々交換、クロスマーケティング、購買協同組合から、特定の契約やプロジェクトを実行するためのジョイントベンチャー契約まで、さまざまなものがあります。

アライアンスの重要な点は、当事者が別々の事業体として存続しながら、さまざまな方法でこうしたコラボレーションを行うことができる点にあります。アライアンスには資本が関わる資本業務提携と、資本が関わらない業務提携の大きく2つが存在します 。
(資本・業務提携についてのメリット・デメリットについてはこちら

 一般的に、中小企業はアライアンスを敬遠する傾向があります。なぜ、中小企業は戦略的提携を敬遠するのでしょうか。中小企業の経営者は、戦略的パートナーに利用されたり、法的・財政的な問題が長引いたりして、コントロールが効かなくなるリスクの影響を経営資源の多い大手企業より直接的に受けやすいせいかもしれません。しかし、今日の経済状況では、中小企業が生き残り、成長するための手段として、アライアンスは以前にも増して必要な検討事項となっていることは認識すべきでしょう。

経済のグローバル化が進む中、あらゆる規模の企業がより大きな競争圧力に直面しており、企業は新しいビジネスモデルやアプローチを採用する必要に迫られています。不況後の環境では、経営資源が極度に不足しています。このような環境では、試行錯誤による事業運営や経営に対するリスク許容度ははるかに低くなります。政府機関や企業は、それぞれの経済的現実に対応して、調達プロセスの統合と合理化を進める傾向が続いています。その結果、より大規模で統合された契約やプロジェクトが生まれ、小規模な個々の企業の能力を超えて成長しています。

 アライアンスという戦略的提携関係を結ぶことによって、中小企業はさまざまな方法で競争上の優位性を維持、向上させることができます。企業は、アライアンスによって、資本、人材、ITインフラ、生産手段など、限られた資源を維持することが可能です。より競争力のある仕入れ価格や供給価格を得ることができるようになります。リスクを抑えながら、市場セグメントと地域の拡大を達成することができます。企業は、個々に次のレベルに到達するために必要なさまざまなスキルや知識を集団で利用することができるのです。

アライアンス

アライアンスとM&Aの違い

 アライアンスは戦略的な協力関係を結ぶことを意味しますが、2つ以上の会社が協力関係を結ぶ方法には、M&Aもあります。M&Aは合併と取得を意味する言葉で、ある会社とある会社が同じ会社となったり、ある会社がある会社を買い取ることを意味します。たとえば、合併は、2つ以上の企業が一緒になって、新しい企業または1つ以上の企業が他の企業と合併することを指します。通常、合併は、2社以上の企業が集まって新たな事業体を形成することを指し、両社の経営陣は、合併後の会社の経営権を共有し、合併後の会社には両社の社名がそのまま使用されることになります。すなわち、合併とは、ある企業とある企業が資本関係を結ぶことに他ならないのです。

 一方、買収は、ある企業が他の企業を買収するプロセスを指します。この場合、買収した企業は、買収された企業を既存の企業に吸収します。買収には、競合する企業を吸収して競争を排除するケースと、買収した企業を独立した企業として企業全体の経営に参加させ、企業ポートフォリオを拡大する(事業を拡大する)ケースがあります。買収するためには、買収対象となる企業の株式を取得しなければなりません。つまり、買収するケースでも、相手企業と資本関係を結ぶことになるのです。

 アライアンスは、M&Aとは異なり、相手企業と資本関係を結ぶ必要はありません。アライアンスに参加する各企業は、個々の事業体を維持しながら、統一された事業力として競合他社と競争することになります。

おわりに

 アライアンスもM&Aも、自社以外の企業と戦略的な協力関係を結ぶことに違いはありません。しかし、M&Aの場合、自社以外の企業と資本関係を築くことになります。株式会社において資本とは、事業を展開するための元手となるものです。したがって、M&Aによる協力関係は、事業を展開するための元手となるお金に関して協力関係を結ぶことにほかなりません。

 一方で、アライアンスにはそのような資本関係が生じないものもあります。。お互いの企業の利益獲得のために協力関係を結びますが、相手企業の意思決定を左右することを約束するものではないのです。このように、アライアンスとM&Aは戦略的な協力関係を結ぶことではあるものの、達成したい目的によって選ぶべき方法は変わってきます。アライアンスとM&Aはその目的によって柔軟に使い分ける必要があるということをきちんと理解しておきましょう。

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M&Aの基礎知識
2022/04/03
事業承継に向けた会社の磨き上げ(経営改善)の取り組み
事業承継に向けた会社の磨き上げ(経営改善)の取り組み

はじめに

 魅力のある会社とはどのような会社でしょうか。その定義は様々ですが、事業を承継する際に魅力のある会社とは、他社に負けない「強み」を持った会社で、業務の流れに無駄がない、効率的な組織体制を持った会社であると言えるでしょう。こうした会社は、一朝一夕で出来上がるものではありません。そのため、継続的な取組みが必要となります。つまり、事業承継に向けた経営改善の取組みが必要なのです。

 そこでこのコラムでは、事業承継に向けた経営改善ではいったいどのようなことを行うべきのかについて詳しく説明していきます。

事業承継に向けた経営改善

中小企業における事業承継において、会社の財政状態や経営成績は極めて重要な要素となります。債務整理等の事業再生を行う必要がある中小企業において、これを放置しておいては、後継者を確保することもままならず、事業承継を行ったとしても、後継者が苦労することは目に見えています。

そのため、事業承継に向けた経営改善の最初の一歩は、会社の経営状況を改めて再確認し、漏れなく把握することから始まります。事業をこれからも維持・成長させていくために、利益を確保できる仕組みになっているか、商品やサービスの内容は他社と比べて競争力を持っているかなどを、最新の状態にアップデートされているかチェックしましょう。

 事業承継に向けた経営改善は、一般的に、「会社の磨き上げ」と呼ばれます。事業承継でいう「会社の磨き上げ」とは、会社の現状をさまざまな観点から調査・把握したうえで、組織・事業等に係る課題を解決し、会社の強みを明確にすることにより、企業としての価値を上げる取組みです。特に、会社の強みは目に見えにくいことが多く、後継者が「経営」を承継するには、会社の強みの源泉となる知的資産(経営理念、人材、技術、ブランド、ノウハウ、顧客とのネットワーク等)を十分に把握する必要があります。単に株式や資産を引き継ぐことだけが事業承継ではないのです。

会社の強みを明確にする

 現経営者は、自社株式・事業用資産といった目に見える資産だけでなく、経営理念、ノウハウ、顧客とのネットワークといった目に見えにくい経営資源(知的資産)を後継者に伝えなければなりません。こうした目に見えない強みを現経営者から後継者にいかに引き継ぐかが、事業承継の成否を大きく分けることになります。

会社の強みや弱み、外部環境について現経営者と後継者で共に考える過程を通じて、経営理念や仕事へのこだわりを、後継者に承継することにつなげることができるのです。

 つまり、事業承継に向けた経営改善の取組みとは、会社の現状をさまざまな観点から調査・把握したうえで、組織・事業等に係る課題を解決し、会社の強みを明確にすることで、それこそが「会社の磨き上げ」となるのです。

本業の競争力を高めていく

本業の競争力を強化するためには「強み」を作り、「弱み」を改善する取組みが必要です。たとえば、自社のシェアの高い商品・サービス、ニッチ市場における商品・サービス等の拡充、技術力を活かした製品の高精度化・短納期化、人材育成や新規採用等を通じた人的資源の強化などがあげられるでしょう。また、取引先やマーケットに偏りが見られる場合は、これを是正し、事業リスクの分散を図ることも重要な取組みの一つです。

 限られた経営資源を効果的に活用して、本業の競争力を高めていくことが重要となります。商品やブランドイメージ、知的財産権や営業上のノウハウなどの目に見えない強み(知的資産)が、会社の競争力の源泉となるのです。イメージ、優良な顧客、金融機関や株主との良好な関係、優秀な人材、知的財産権や営業上のノウハウ、法令遵守体制など、日々の業務ではあまり意識されない、いわゆる知的資産も会社の「強み」となります。

組織体制の構築

 加えて、事業承継に向けた経営改善には、会社の効率的な組織体制の構築も必要です。経営者が変わる事業承継は、会社で働く従業員を始め、取引先など外部のステークホルダーにも少なからず影響を与えます。そうした影響を最小限に抑えるための、組織づくりも非常に重要な要素なのです。事業承継後に後継者が円滑に事業運営を行えるように、事業承継前に経営体制の総点検を行う必要があります。

たとえば、以下のようなことを行います。

  • 社内の風通しを良くし社員のやる気を引き出すこと
  • 役職員の職務権限を明確にすること
  • 業務権限を段階的に委譲すること
  • 各種規定類、マニュアルを整備すること
  • ガバナンス・内部統制の向上に取り組むこと

おわりに

 事業承継に向けた経営改善のためには、「会社の磨き上げ」が欠かせません。

「会社の磨き上げ」は、自ら実施することも可能ですが、対応が多岐にわたるため、効率的に進めるために士業等の専門家や金融機関等の助言を得ることも重要です。

本業の競争力を強化するためには会社の「強み」をより大きく伸ばし、「弱み」を極力克服し企業価値の高い魅力的な会社づくりが必要です。何が「強み」であり、何が「弱み」であるかは会社によって異なります。したがって、事業承継に向けた経営改善に正解はありません。まずは、自社の強みと弱みを洗い出し、改めて可視化することから始めましょう。強みと弱みを可視化して、それを磨き上げて会社を強くするプロセスこそが、事業承継に向けた経営改善に他ならないのです。

M&Aの基礎知識
2022/04/02
レーマン方式(Lehman Formula)
レーマン方式(Lehman Formula)

レーマン方式とは、M&A仲介会社やM&A専門家などに成功報酬として支払う際の一般的な計算方法の1つ。取引金額(移動した資産の価格など)に対して一定の割合を乗じて算出します。

レーマン方式では、一般的にM&Aによる買収金額が大きくなればなるほど、報酬率は低くなるのが特徴となっており、以下が基準となります。

  • 取引金額が5億円までの部分・・・5%
  • 取引金額が5億円を超え10億円までの部分・・・4%
  • 取引金額が10億円を超え50億円までの部分・・・3%
  • 取引金額が50億円を超え100億円までの部分・・・2%
  • 取引金額が100億円を超える部分・・・1%

同じレーマン方式であっても、M&A仲介会社によってレーマン方式の対象資産が異なる場合があるため、注意が必要です。

詳細の解説はこちら:レーマン方式とは?~M&Aにおける報酬はどのように決まる?~

M&A・事業承継用語
2022/05/18
中小企業の後継者育成の重要性・ポイント
中小企業の後継者育成の重要性・ポイント

中小企業において、世代を超えて事業を継続させることにはさまざまな障壁があります。円滑に事業を将来にわたって運営していくためには、経営者がこれまで培ってきたあらゆる経営資源を後継者に承継することが必要となります。一般に、承継される経営資源は、大きく「人」、「資産」、「知的資産」の3つの要素から構成されます。この記事では、その中でも「人(後継者)」に焦点を当てて、事業承継の際に必要となる後継者の育成について説明していきます。

中小企業における後継者育成の重要性

 中小企業は、事業運営における経営者の裁量が非常に大きいことが多いです。このことは、経営者が変わると、事業運営に大きな影響をもたらすことを意味しています。経営者が変わっても、取引先とのつながり、経営に関するさまざまなノウハウ、従業員など経営資源を守りながら、活動を継続していくためには、将来を見据えた計画的な事業運営が欠かせません。

 中小企業における事業承継の際、誰が経営者を引き継ぐのかが問題となります。かつては、経営者の子や親族などに事業を承継する「親族内承継」がほとんどでしたが、親族内での後継者確保が困難になっていることなどを背景に、経営者と親族関係にない役員や従業員を後継者にする「親族外承継」、社外の第三者に会社や事業を譲渡する「第三者承継」の割合が増えています。経営者が子どもの職業選択の自由を尊重する風潮や、自社の事業の魅力、事業承継に伴うリスクに対する不安などによって、事業承継において親族内承継は減少傾向にあるのです。

 しかし、社外の第三者が会社や事業を承継する場合、メリットデメリットは表裏一体です。良い点は、これまでになかった大胆な事業展開が可能となる可能性があるということです。一方、悪い点は、これまでの事業スタイルとは全く異なってしまい、もともとの会社とは全く違う会社になってしまう可能性があるということです。したがって、親族内承継や親族外承継といった、経営者の後継者となる人材を社内で時間をかけて育成することも、現在の経営者にとっては重要な経営課題の一つなのです。

後継者育成のポイント

 後継者の選定は事業承継に向けた第一歩であり、事業承継の成否を決する重要な取組みです。しかし、経営者が胸の内で後継者候補の見当をつけておけばよいというものではありません。事業承継について後継者候補の同意を得た上で、必要な育成を行いつつ、親族や従業員、取引先等の関係者との対話を進める必要があります。そのため、後継者の育成も考えると、事業承継の準備には5年~10年ほどかかるのが一般的です。後継者を社長に、経営者は会長に就任して、以後段階的に権限を後継者に委譲していく方法もありますが、会社の大きな転機となる事業承継は、早めの準備、計画的な取組が重要となります。

経営者として資質のある人選

 後継者を決める際には、次期経営者として資質のある人を選ぶ必要があります。以前は、経営者の長男が事業を承継するケースが多くみられましたが、現在では、従来の常識にとらわれずに、経営を取り巻く環境変化に対応しながら、事業を継続・成長させていくことができる人物を後継者として選定することが望まれます。経営者としての資質を見極めるために、取引先や同業種等の他社で勤務させることで、経営手法や技術、会社のあり方について多様な経験を積ませるケースもあります。その経験が従来自社の中で通常とされていたことを客観的視点から見つめ直す力となり、自社の改革の原動力となるでしょう。

経営の体系的な理解

また、商工会・商工会議所や金融機関等が主催する「後継者塾」や「経営革新塾」等へ参加させることや、中小企業大学校や大学等の教育機関で学ぶこと等を通じても、経営に関する広範かつ体系的な知識を得ることが期待できます。後継者を選定した後は、後継者が次期経営者として必要な実務能力、心構えを習得するための教育を行います。業種や業態によって後継者教育の内容は異なりますが、事業承継をスムーズに実行するためには、後継者本人が意欲的に、経営に関する知識、実務経験の習得に取り組むことが欠かせません。社内での育成も重要ですが、外部機関での講座を受講するなどして、経営一般について学びを深めることも必要です。

中小企業庁も中小企業の後継者育成を積極的に支援しており、中小企業大学校において、座学、演習、実習による知識や現場の知恵の習得及び自社の分析を通じて、経営者に必要なマインドやスキルの向上を図る経営後継者研修なども行われています。(下図)。

外部機関による後継者向けのセミナー

出典:中小企業庁『事業承継マニュアル』

 もし、後継者候補が複数いる場合は、判定基準を示して選定を進めることが、後継者争いなどのトラブル防止になります。事業承継は、様々な利害が絡むため、問題が生じるケースも多いです。したがって、事前に十分に対策を講じておくことも重要となります。

おわりに

 中小企業における事業承継において、後継者の育成は重要な経営課題の一つです。後継者の育成には通常時間がかかるものなので、計画的に後継者の育成を進めておく必要があります。従来は、経営者の親族が後継者となるケースが多かったものの、役員や従業員を後継者として選定するケースも多くなってきています。経営者が親族内で後継者を探したいという気持ちもあるとは思いますが、事業承継において重要なことは、後継者に経営者としての資質があるかどうかです。長く事業を継続していくためにも、後継者の育成には十分な時間をかけましょう。

M&Aの基礎知識
2022/04/02
民泊のM&A動向~住宅宿泊事業法成立からコロナ禍へ~
民泊のM&A動向~住宅宿泊事業法成立からコロナ禍へ~

はじめに

 国内の民泊事業者は好調なインバウンド需要に支えられ、増加傾向にありました。一時、2万件を超えた民泊事業を営む事業者の届出住宅数は、コロナ禍で大幅な減少に転じています。コロナ禍以前は、観光客の増加に伴う宿泊需要の高まりを受け、空き家や空き物件の有効活用を目的にした、中小の不動産事業者による新規参入が相次いでいたものの、近年では、逆に、民泊事業から撤退するような状況となっているのです。

 このコラムでは、民泊事業を展開する事業者がなぜM&A進めているのか、その理由を解説するとともに、最近のM&Aの動向について解説をしていきます。

民泊事業者がM&Aを希望する背景

 2017年6月9日、「民泊」という営業形態の宿泊提供に関する法律「住宅宿泊事業法」が成立しました。従来、宿泊営業の実施に当たっては、原則、旅館業法に基づく許可が必要であったものの、「住宅宿泊事業法」が成立したことで、住宅宿泊事業法第3条第1項の届出をしていれば、旅館業法第3条第1項の規定にかかわらず、住宅宿泊事業を営むことができるようになりました。その結果、民泊事業を展開する事業者は増加しています(下図)

住宅宿泊事業届出住宅数等推移

出所:観光庁

 しかしながら、民泊の届出住宅数は2020年4月10日の2万1385件をピークに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大と緊急事態宣言の影響で減少に転じています。

実例として、2021年2月5日までに民泊事業を営んでいた株式会社TAKE(札幌市)が事業を停止し、自己破産申請を行いました。株式会社TAKEは、2011年の設立で、主に不動産オーナーの物件を対象として民泊の運用・運営・管理サービスや宿泊コンサルティング業務、内装工事などを手掛けていました。

 このように、インバウンド需要などを見込んだ、「住宅宿泊事業法」の成立を機に、民泊事業へと多くの企業が参入してきたものの、COVID-19によって事業環境が激変し、事業者が、民泊関連事業から撤退を余儀なくされるほどのダメージを受けています。民泊事業を展開する企業はまだまだ資本力も弱く、事業規模も大きいとは言えないところも少なくありません。収益が見込めなくなり、財政的に厳しくなった民泊事業者が、事業を売りに出しています。

 信用調査会社の東京商工リサーチによると、2020年5月時点のCOVID-19に関連した全国の経営破綻139社のうち、宿泊業は30社と業種別で最多となっています。厳しい状況に置かれていることがわかるでしょう。その結果、ホテル・旅館業界に直接関わりを持たなかった大手企業や不動産企業などが、COVID-19収束後の需要回復をにらみ、買収を活発化させる動きも出始めています。自社の持つ資産の新たな活用の一つとして新たに参入するケースが増えており、もともとの事業者が資本力のある企業との資本関係を結ぶなど、業界再編の動きが加速しています。

民泊事業者のM&A

業界再編の動きに対応して、民泊事業者のM&Aの件数も増加傾向にあります。近年では、特に、事業承継支援を行うプラットフォームを活用したM&Aが行われています。事業承継支援を行うプラットフォームでは、事業を売りたい会社と事業を買いたい会社のマッチングサービスが行われています。プラットフォームには、全国各地の民泊事業や施設の買い手を募る情報が掲載されています。

「住宅宿泊事業許可済」「JR〇〇駅7分」「特価販売」「365日可能」といったキーワードで売却希望案件が多数出されており、一つの物件当たりの売却希望価格は0〜250万円程度と立地やそのほかの条件などによって大きく揺れがあるものの、オンライン上で日本全国の民泊ホテル事業の情報交換が行われています。

 民泊のM&Aは、基本的に、経営権の譲り受けとなるので、一から開業するよりも民泊事業を安価でスタートすることが可能です。宿泊事業全体が低調となる中で、民泊事業をすぐに軌道に乗せることは難しいものの、しばらく耐え忍ぶことができるだけの資本力があれば、経営権を平常時より安く入手できるので、コロナ終息後に大きな収益を獲得できる可能性があります。

おわりに

 従来から民泊・ゲストハウス事業を営んできた事業者は現在厳しい状況に置かれています。観光客の激減などで事業撤退が進んでおり、民泊施設の賃貸住宅への切り替えも始まっています。その一方で、COVID-19収束後を見込んで、値下がりした民泊物件を買い上げる動きも出始めています。

M&Aの基礎知識
2022/03/31
タッピング(Tapping)
タッピング(Tapping)

タッピング(Tapping)

タッピングとは、M&Aの検討段階(買収または売却の検討)で、条件に合う企業(または事業)を候補先としてリストアップし、それらの企業に対しM&Aへの興味がどの程度あるかはかるために行う、初歩的なアプローチ(打診)のこと。

企業の買収・売却意思を相互に確認するため、その後の交渉のみならず関係性にも関わるため、非常に重要なタイミングです。情報管理が重要となります。

M&A・事業承継用語
2022/03/30
事業承継によって、やりたかった「ビジネスに直結するIT」ができるように【岡村慎太郎×齋藤隆太】
事業承継によって、やりたかった「ビジネスに直結するIT」ができるように【岡村慎太郎齋藤隆太】(2022年3月19日)|BIGLOBEニュース

relay対談企画の第二弾は、relayの「事業承継ストーリー#41」にご登場いただいた、広島県広島市で「ワキヤコーヒー」を運営する「有限会社脇屋」の代表取締役・岡村慎太郎(…|BIGLOBEニュース

M&Aニュース
2022/03/20
これは有効!後継者問題の解決法―ジェネレーションギャップの回避を可能にするには!?―
これは有効!後継者問題の解決法―ジェネレーションギャップの回避を可能にするには!?―

 地方で事業主になるよりは 中小企業の最大の悩みの一つに「後継者問題」があります。その多くは、事業を引き継いでいくものがいない、という悩みです。事業を継承していきたくても、それを引き受ける相手がいないのです。特に地方の場合、...

M&Aニュース
2022/03/18