M&Aコラム

M&A COLUMNLISTM&Aコラム一覧

71-80件を表示(429件)

71-80件を表示(429件)

M&Aで適用となる独占禁止法について注意すべきこと
M&Aで適用となる独占禁止法について注意すべきこと

独占禁止法(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)は、公正かつ自由な競争を促進し、事業者が自主的な判断で自由に活動できるようにすることを目的とした法律です。この独占禁止法はM&Aとも関わりがある法律です。具体的には、一定の要件を満たすM&A取引については禁止するというものになります。この記事では、そんな独占禁止法とM&Aがどのような関係にあるのかについてわかりやすく解説していきます。

M&Aと独占禁止法

 独占禁止法は、株式取得(10条、14条)、役員兼任(13条)、合併(15条)、会社分割(15条の2)、共同株式移転(15条の3)および事業譲受け等(16条)について、それが「一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる」場合に、これらの企業結合を禁止しています。禁止される企業結合については、金融商品取引法第17条の2の規定に基づいて、排除措置が講じられます。

それでは、「一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる」とは一体どのようなことを意味しているのでしょうか?

これは、「競争の実質的制限」とも呼ばれ、市場支配力、すなわち市場における価格、品質、数量その他各般の取引条件を左右することができる力を意味するものです。最もよく参照される判例では、「競争を実質的に制限するとは、競争自体が減少して、特定の事業者又は事業者集団がその意思で、ある程度自由に、価格、品質、数量、その他各般の条件を左右することによって、市場を支配することができる状態をもたらすこと」(東宝・スバル事件・東京高判昭和26年9月19日、東宝・新東宝事件・東京高判昭和28年12月7日)と説明されています。

 したがって、独占禁止法は、M&Aによって市場支配力を左右できる力を得られるケースでは、うえで挙げた企業結合行為を禁止しているのです。

 「競争の実質的制限」の具体的なケースとしては「競争回避」「競争排除」があり、価格カルテルや入札談合が競争回避に該当します。これは、価格カルテルや入札談合によって、市場における価格に影響を与えていることから、禁止行為に該当します。一方、市場支配力を持つ事業者が既存事業者を市場から排除したり、新規参入を阻止したりすることによって自己の市場支配力を維持強化するのは競争排除に該当します。既存事業者を市場から排除すれば、市場における価格など取引条件を自由に設定できるようになります。したがって、競争排除も独占禁止法で禁止されているのです。

 実際の実務において、競争の実質的制限の有無は、まず独占禁止法違反の疑いがある行為が行われている「一定の取引分野」を画定して、

  • 当該市場における行為者のシェア
  • 行為者間で従来競争がなされてきたか
  • ライバル事業者の市場シェアとの差の大きさ
  • ライバル事業者の供給余力
  • 商品の差別化の程度
  • 輸入・新規参入の障壁の有無・大小
  • 隣接市場からの競争圧力等

様々な要素を総合考慮して判断されることになります。

M&Aの結果として、こうした競争の実質的制限に該当する事象が生じるのであれば、企業結合行為を違反として公正取引委員会が取り締まることができるようになっています。

独禁法

独占禁止法による届出制度

 前の節では、独占禁止法は、株式保有や合併等の企業結合によって、それまでは独立して活動を行っていた企業間に結合関係が生まれる結果、企業結合を行った会社グループが単独、又は他の会社と協調的行動をとることで、ある程度自由に市場における価格、供給数量などを左右することができるようになる場合(競争を実質的に制限することとなる場合)、企業結合を禁止していることを説明してきました。

 これに加えて、独占禁止法は、会社が株式の取得、合併、会社分割、共同株式移転、および事業等の譲受けを行うにあたって、一定規模以上の場合には、公正取引委員会に事前の届出を行うことを義務付けています。中小企業によるM&Aの場合、ほとんどがこの届出規制に該当するケースはないものの、大企業によるM&Aの場合には、この届出規制の適用を受けるケースが多いです。届出を行った企業は、原則として、届出受理の日から30日を経過するまでの期間、当該企業結合を実行することができません(第1次審査)。公正取引委員会がより詳細な審査を行う必要があると判断した場合、待機期間が延長されることもあります(第2次審査)。

おわりに

 M&Aによる企業結合行為についても、独占禁止法の適用を受けるケースがあります。違反すれば、独占禁止法違反となり、罰則を受けるケースもあるので注意が必要です。また、一定規模以上のM&Aによる企業結合行為についても届出規制があります。

 M&Aという企業結合行為は、当事者となる企業が属する市場にも大きな影響を与える行為です。したがって、独占禁止法の適用を受けることになります。M&Aを行うにあたり、つい忘れがちな独占禁止法をしっかりと認識しておきましょう。専門家に相談する場合は、M&Aガイドの無料相談をご利用ください。

M&Aの基礎知識
2022/07/30
同族経営をどう承継 早大が超高額の合宿講座、参加費660万円
同族経営をどう承継 早大が超高額の合宿講座、参加費660万円

受講料660万円、ファミリービジネスの承継を支援して経営革新を促す――。早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センターが事業承継を考える企業に向けて開く高額プログラムが事業承継の問題を扱うコンサルタントや大学関係者の注目を集めている。

M&Aニュース
2022/03/04
社長交代による若返り、16.5歳 平均年齢は60.3歳となり過去最高を更新
社長交代による若返り、16.5歳 平均年齢は60.3歳となり過去最高を更新

TDBのプレスリリース(2022年3月4日 13時48分)社長交代による若返り、16.5歳 平均年齢は60.3歳となり過去最高を更新

M&Aニュース
2022/03/04
事業承継成功のカギ(3) 世代間の二重の関係性
事業承継成功のカギ(3) 世代間の二重の関係性

中小企業の多くはファミリービジネスです。ファミリービジネスでは親族内承継が多く、しばしば親から子へ承継されます。その際、バトンをわたす現経営者とバトンを受け継ぐ後継者との間には、二重の関係性が存在します。1つは純粋な「親子の関係」で、もうひとつが「仕事上の上司と部下の関係」です。この世代間の二重の関係は、組織に様々な効果を生み出します。メリットは、親子関係が担保されるので、現経営者と後継者の間

M&Aニュース
2022/03/04
事業承継円滑化法とは?概要や施行されるに至った経緯
事業承継円滑化法とは?概要や施行されるに至った経緯

はじめに

 日本では中小企業の経営者の高齢化が問題となっており、会社の事業承継がスムーズに進んでないことが課題となっています。中小企業の事業承継をスムーズに進めるべく、日本政府は法律の整備を進めてきており、2008年に経営承継円滑化法が施行され、その後改正が進められたことで、会社の事業承継を行うための環境が整いつつあります。

 この記事では、事業承継円滑化法について詳しく説明するとともに、中心的な制度である事業承継税制についてわかりやすく解説していきます。

経営承継円滑化法(事業承継を円滑にするための法律)の概要

ここでは事業承継円滑化法が施行されるに至った経緯について、詳しく説明していきます。

問題の所在

中小企業の事業の承継はなかなか進まない理由としては以下があげられます。

  1. 贈与税及び相続税の負担
  2. 事業承継時の資金調達難
  3. 民法上の遺留分による制約(民法上の遺留分とは、被相続人が有していた財産の一定割合について、最低限の取り分として、一定の法定相続人に保障する制度のこと)

これらの課題から、事業を承継できなかった会社は事業を廃業するしか道が残されていなかったのです。事業を承継できなければ、そこで働く従業員の雇用が失われ、会社に蓄積されていたノウハウも失われてしまいます。日本社会において、中小企業の廃業がもたらす悪影響は甚大なのです。

経営承継円滑化法の内容

 そこで、中小企業における経営の承継の円滑化を図り、中小企業の事業活動の継続に資することを目的として、2008年10月1日に「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(中小企業経営承継円滑化法)」が施行され、上記の課題に対応するかたちで、①事業承継税制、②金融支援、③遺留分に関する民法特例という3つの制度が設けられました。

3制度

 これら3つの制度が生まれたことで、①事業承継時の贈与税及び相続税の負担が軽減され(事業承継税制)、②経営者の死亡及び退任に伴い必要となる資金や他の事業者から経営を引き継ぐための買収資金の調達支援を受けることができるようになり(金融支援)、③後継者を含めた先代経営者の推定相続人全員の合意の上で、先代経営者から後継者に贈与等された自社株式・事業用資産の価額について、(1)遺留分を算定するための財産の価額から除外(除外合意)、又は(2)遺留分を算定するための財産の価額に算入する価額を合意時の時価に固定(固定合意)をすることができるようになりました(民法上の遺留分に関する特例措置)。

端的に言えば、事業の承継がしやすくなったのです。

経営承継円滑化法の改正

 2017年には、この制度の一部変更され、経済産業大臣が行っていた認定((1)中小企業者の事業承継税制及び金融支援に係る認定、(2)経営の承継に関する指導及び助言)は、中小企業者の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事が行うこととなっています。さらに、2018年の税制改正において、事業承継時の贈与税・相続税の納税を猶予する事業承継税制が大きく改正され、10年間限定の特例措置が設けられるなど、事業を承継しやすい環境整備が大幅に進められています。

事業承継税制の概要

 経営承継円滑化法は、①事業承継税制、②金融支援、③遺留分に関する民法特例という3つの制度によって構成されていますが、その中でも最も重要な制度が「事業承継税制」です。事業承継税制は、経営承継円滑化法の骨子であり、金融支援、遺留分に関する民法特例はそれに付随した制度になります。そのため本コラムでは、事業承継税制について解説していきます。

事業承継税制の内容

 事業承継税制は、経営承継円滑化法に基づく認定のもと、会社や個人事業の後継者が取得した一定の資産について、贈与税や相続税の納税を猶予する制度のことを言います。この事業承継税制には、会社の株式等を対象とする「法人版事業承継税制」と、個人事業者の事業用資産を対象とする「個人版事業承継税制」があり、どちらかを選択して適用の申請を行う必要があります。事業承継税制の具体的な内容は次のとおりです。

(1)法人版事業承継税制: ⾮上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予制度

 中⼩企業の事業の継続を通じた雇⽤の確保や地域経済の活⼒維持を図る観点から、後継者が、都道府県知事の認定を受けた⾮上場中⼩企業の株式等を先代経営者から相続等⼜は贈与により取得した場合において、⼀定の要件を満たすときは、相続税・贈与税の納税が猶予及び免除されます。

(2)個人版事業承継税制: 個⼈の事業⽤資産に係る相続税・贈与税の納税猶予制度

 個⼈事業者の円滑な世代交代を通じた事業の持続的な発展の確保や地域経済の活⼒維持を図る観点から、後継者が都道府県知事の認定を受け、先代事業者から相続等⼜は贈与により事業⽤資産を取得した場合において、⼀定の要件を満たすときは、相続税・贈与税の納税が猶予及び免除されます。

事業承継税制の改正

 事業承継税制は2018年に大幅に変更され、より使いやすい制度へと生まれ変わっています。改正点は大きく分けると2つあります。

 まず1つ目は自社株を承継する際に「贈与税と相続税が一切かからない」仕組みに改正されたということです。改正前の事業承継税制では、納税猶予の対象となる株式(発行済議決権株式総数)の上限が全体の3分の2で、しかも、相続の場合の猶予割合は80%でした。そのため、発行済議決権株式総数の3分の2×80%=53%の自社株については猶予を受けることができるものの、残りの47%については贈与税と相続税の納税が必要だったのです。今回の改正によって、上限と猶予割合の制限が全廃されて、自社株承継時の納税割合がゼロとなりました。

 2つの改正点は雇用確保要件の実質撤廃です。従来の制度では、生前贈与以降の5年間平均で当初の80%の雇用者数の維持が義務づけられています。この制限を守らなければ、贈与税と相続税について全額納付しなければなりません。(事業承継税制の適用を受けられません)。しかし、今回の改正によって、この雇用確保要件は実質撤廃されました。

 ここで、実質と言っているのは、雇用者確保の割合である80%を下回った場合でも、その理由を記載した書類を都道府県に提出すれば、猶予税額を支払わなくても良いとされています。この書類には、事業承継税制の認定支援機関である「認定経営革新等支援機関」の意見が記載されなければなりません。認定経営革新等支援機関による意見があれば、雇用者確保の割合である80%を下回った場合でも事業承継税制の適用を受けられます。

事業承継税制についてのメリット・デメリットはこちらで詳しく解説しています。

おわりに

 長年課題であった中小企業の事業承継問題は、解決のための環境が整えられつつあります。近年の法改正によって、経営承継円滑化法にもとづく3つの制度はより活用しやすいものとなりました。これらの制度を活用すれば、贈与税や相続税の猶予・免除を受けられるようになったり、補助金を受けとれるようになったりします。事業の承継を考えている中小企業の経営者は経営承継円滑化法に基づくこれらの制度を上手に活用して事業承継に役立てましょう。

M&Aの基礎知識
2022/07/30
「合併(Mergers) 」・「買収(Acquisitions)」の違い【M&A解説】
「合併(Mergers) 」・「買収(Acquisitions)」の違い【M&A解説】

企業は成長を目指して様々な経済活動を行います。成長のための一つの方法としてM&A(Mergers and Acquisitions)があります。企業はM&Aを通じて事業の拡大を目指します。一口にM&Aと言っても、M&Aには様々な手法が存在しています。その手法の代表的なものが「合併」と「買収」です。この記事では、「合併」・「買収」の区別について詳しく解説していきます。

M&Aの定義

 M&Aとは、企業の合併・買収や資本提携、事業の譲渡などを総称する言葉です。M&Aは、経営権の移動が伴う (または影響を与える) 経済取引のことを意味するので、商品を販売するなどの経済取引とは異なります。昨今M&Aという言葉は、様々な文脈で用いられる言葉となっています。今回は合併と買収について区別して説明しますが、どちらもM&Aと呼ばれます。

M&A

「合併(Mergers)」とは

 合併とは、法律的に言うと、2つの会社を統合して、新しい所有権と経営体制を持つ新しい会社を作る取引のことを言います。一般的に、合併は経営コストの削減、新市場への進出、収入と利益の増加を目的として行われるものです。企業合併は、買収する企業に市場シェアを拡大する機会を与える可能性があります。また、事業の多様化は、企業が他の事業を買収・合併する際に有利に働くこともあります。事業が多角化することにより、企業の収益性に対する特定業界の影響を軽減できる可能性があるからです。

 合併は、当事会社の合併契約書に基づいて行われるものです。そのため、経営者同士でまず話し合いが行われ、お互いの経済的利益に基づいてなされるのが普通です。合併には、当事者である一つの会社が存続し、他の解散する会社を吸収する「吸収合併」と、当事会社の全部が解散し、それと同時に新たな会社を設立してそのなかに入り込む「新設合併」とがあります。

 新設合併は、全ての合併当事会社が消滅会社として清算手続きを経ずして解散し、新会社を設立し、合併当事会社の権利義務等の法律関係を包括的に新設会社に承継させる合併形態をいいます。実際には、吸収合併が圧倒的に多く新設合併が行われる例は極めて稀です。新設合併では既得の許認可等が白紙に戻り営業に必要な許認可等は新たに取得する必要があり、また上場会社の場合には新たな上場手続きが必要になるなど、手続きが煩雑になるからであると考えられています。

また、合併は、市場の独占という経済目的をもってされることがあるので、独占禁止法によって合併制限が設けられています。なお、合併手続きが終了した際には存続会社は変更登記を、消滅会社は消滅登記を、新設会社は設立登記をすることが必要です。

「買収(Acquisitions)」とは

 買収とは、一方の会社が他方の会社を取得することを言います。テイクオーバー(takeover)と呼ばれることもあり、一般に合併よりもネガティブな意味合いを持つ場合があります。

 買収には、敵対的買収と友好的買収の2種類があります。敵対的買収とは、一方の会社が他方の会社の承諾なしに買い取ることで、通常、買収する側の会社は買収される側の会社を支配するため、その株式の過半数を購入します。買収する側の会社と買収される側の会社の双方が買収条件に合意している場合は、友好的買収と呼ばれます。

 買収は、ある企業が他の企業を支配する目的で議決権の概ね過半数以上を確保できるだけの株式を買い取ることで成立します。したがって、被買収企業との買収企業との直接の契約は必要ありません。他の企業の発行済議決権付株式の過半数を取得すれば、他の企業の意思に関わらず、会社の最高意思決定機関である株主総会で議決権を行使できるようになり、それによって会社経営に影響を与えられるようになるのです。買収には多額の現金が必要となりますが、買収側は株主総会で自分の意見を通すことができるようになりますので影響力は少なからぬものがあります。

 買収によって、たとえば、取引先を買収することで規模の経済を向上させる(生産量が増えるほど単位当たりのコストが下がる)ことができます。また、市場シェアを拡大や、コストを削減、新たな製品ラインを拡大などの目的で、他の企業を買収するケースもあります。企業が買収を行うのは、対象企業の技術を手に入れるためであり、買収によって何年もかかる設備投資コストや研究開発コストを削減することが可能です。

M&Aにおける合併・買収の違い

 M&Aには様々な手法が存在しており、その代表的な手法が合併と買収です。合併とは、ある企業とある企業が共同して一つの会社を成立させる行為です。合併には合併契約を結ぶことが必要となるので、当該企業同士の同意が必要となります。一方で、買収とはある企業の経営権を株式取得することで取得する行為です。買収は株式を取得すれば成立するので、当該企業同士の契約も合意も必要ありません。こうしたことから、合併は主にポジティブな行為として考えられ、買収はネガティブな行為と考えられがちです。しかし、どちらもM&Aの手法として企業の成長を目的として行われる行為であることに違いはありません。

M&Aの基礎知識
2022/07/30
後継ぎとM&Aとの親和性は 踏み切る際のメリットやリスクを解説 | ツギノジダイ
後継ぎとM&Aとの親和性は 踏み切る際のメリットやリスクを解説 | ツギノジダイ

 事業承継にめどをつけた後継ぎ経営者の中には、M&Aによる事業ドメイン拡大を考える方もいるでしょう。M&Aのコンサルティングを手がける専門家が、中小企業のM&Aの基礎知識や市場の傾向、後継ぎ経営者とM&Aとの親和性、踏み切る際のメリットや…

M&Aニュース
2022/03/01